涼風の吹き来るベンチに休みけり

腰掛ける石のぬくもり涼新た

新涼や無人の駅へ徒歩の道

単線の山懐の虫時雨

八月の空ひとは離れて並びけり

風鈴の音の寂然と坂の路地

この壁の向ふもきつと冷奴

オカリナのささやく響き風涼し

バイオリンの平和の音色涼やかに

八月十五日街に立ちたる日章旗

遠山の風新涼でありにけり

新涼や鐘撞堂の鬼瓦

萩を吹く風に出でけり蔵の街

立秋の風に高々雲動く