小さきは小さきままに蜘蛛の糸
振り返る猫と目の合ふ赤のまま
新涼や水の流れに遊ぶ鳥
図書館を出て片陰を片陰を
図書館を飛び出す影や夏帽子    
夕凪に水きり石の波紋かな
畝ひとつ立てて影ある今朝の秋
前髪を少し切りすぎ夏終わる
大西日雫となりて潟に溶け
蜘蛛の囲や小さきものは小さきまま
朝顔に風の重さのありにけり  
踏み込めぬ余地なき土手の葛の花
日傘てふ影の一つを持ち歩く    
百日紅よそみも混ぜて伸びにけり
片陰に影を重ねて入りにけり