2019年11月

時雨るるや湯呑みで指を温める

黄落の欅辿れば阿智神社

鵙の贄由加へと続く峡の道

繕ふて糸切る妻や去年今年

カタカタとミシンのや柿を干す

オブラートのどに絡まる冬はじめ

オブラート二枚重ねや室の花

冬うらら路地に子の声かくれんぼ

水嵩の引きて川岸冬紅葉

木洩れ日の石段跳ねる木の実かな

二又も三又も全部大根干す

冬菊の赤は光を黄は陰を

冬紅葉祖父の形見の煎茶椀

香箱座り主待つ猫や室の花 

繕ふて糸切る妻や去年今年

カタカタとミシンのや柿を干す

オブラートのどに絡まる冬はじめ

オブラート二枚重ねや室の花

冬うらら路地に子の声かくれんぼ


萩の花中洲の分ける流れかな

正殿の儀終へ架かるや秋の虹

満面の笑む女生徒や秋麗

柿たわわ陶芸展皿の天日干し

路地裏の空は真っ青神無月

西口に風の住み着く冬はじめ

石ひとつ無駄の無き庭もみじ散る〇

親指の関節曲がりゆく落葉

並べある木の実は踏まぬ猫の足

黄落に紅葉の混じる午後の風

親しのぐ大きな子犬黍嵐

コインランドリー灯ひとつや片時雨

時雨るるや枯山水の橋の上〇

鼻先で木の実ころがす仔犬かな

鼻先で仔犬ころがす木の実かな〇

妻もまた起きているらし夜長かな

初紅葉はしゃぐ声乗せ乳母車

時雨るるや三人乗りの乳母車

思わざる女医の診察薔薇香る

空の壁押上げ秋の雲奔る

翻る銀杏もみじや峡の寺

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