2019年08月

蜻蛉のやんちゃな翅を掴みけり
瀬戸内の海へ旗振るかき氷
浜に出て素足に風をまとひけり
声たてぬ鳥に揺れをり夏椿
海開風に千切るる祝詞かな
海開待つ子ら沖で立ち泳ぎ
折り返すバスの待合雲の峰
なにもかもそのままにして昼寝かな
三角の窓はみ出る大入道
殺虫剤並ぶストアや夏帽子
渦のまま灰を残せし蚊遣香
遡上する魚の影や涼新た
朝顔の花海よりも碧く咲き  
再婚は半信半疑や半夏生
夏祭アンパンマンの面被り

鉦叩き大きな闇を響かせて
虫の音や扉ひとつに鍵ふたつ
夏の野へ駆け出す少女今無敵
それぞれに気の向くままに吾亦紅
何時までも家に入らぬ子吾亦紅
父母の墓に経唱ふ法師蝉

虫の音の届くところに灯のひとつ

鉦叩き大きな闇を響かせて

打ち水や風の匂ひのふと変はる

ふと変わる風の匂ひや門火焚く

汗しとどこっぷの水の美味し午後

閂を押し分けてくる虫時雨

送り火の消へて暫しは門に佇つ

閂を開けて早めの門火かな

明るさの残る庭にて門火焚く




青田波当駅五分通過待ち  
ふるさとの短夜刻む古時計
炎天の街を生きてる街の川
晩夏光ソフトボールの土ぼこり
腕まくる浴衣の狙ふ射的かな
帰省の子日付大きなカレンダー
欠席の人幾人や仏桑花
夕暮の眠り始めた目高の子

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