2018年12月

寒晴れに翳ることなく観覧車


大晦日まだ書き上げぬ年賀状

雀らに争ひごとあり年つまる

白足袋を干して茶室の大晦日

白雲を啄むやうに冬木の芽

店頭に洋風お節予約中

ゆく年や日当たりの良き散髪屋
洋菓子も和菓子も好きと迎春菓
招き猫置きある出窓迎春花

蠟梅に影も日向もなかりけり

壁に当てのボールの音や冬ぬくし
カタコトと靴音はやく夕時雨
ままごとの熱燗酔うてしまいけり
白波の連れ来る寒気爺寝まる
時雨るるやひと山鳴らす風となり
一階へ上がる階段小夜時雨
時雨るるや机の上の灯を増やす
外したる眼鏡に宿る時雨かな
はずしたる眼鏡に眠る小夜時雨
片時雨髪を束ねた少女かな
こころにもまた降り続く時雨かな
青空の裏側にあり時雨くる
時雨るるや午後休診の木曜日
消しゴムの角の丸さや去年今年
年暮るるコーラー瓶のくびれかな

路地裏を歩く馴染みの冬帽子
空見上げ空ごと深く冬帽子
セーターにかすかにはしる静電気 
ピアスした農夫に時雨通りゆく

雲走る初冬の日差しこぼしつつ
張りつめて空映しけり冬の水
ガラス戸を明るく占めて冬もみじ

髪染めた農夫に時雨通りゆく

 
冬灯雨が絵になる街にをり
夕映えの景を枕に山眠る
冬の水鯉より深く眠りをり
紙ひこうき冬の陽だまり乗せにけり
菓子缶のブリキの美しき十二月
初茜水鳥あまた羽飛び立てり

木の葉降る空昨日より透き通り
こころもち服の軽さや街小春
甲高い子の声ひびく霜の朝
夕映えの景を枕に山眠る
あれこれと干しては小春日和かな
夕日いま川面を寒く流れけり
冬の水鯉より深く眠りをり
マフラーに気持ち半分巻きこみて

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