2018年11月

小鳥くる朝の光りをノックして
休業の自筆の知らせ秋惜しむ
朝の雨町を眠らせ冬に入る
 
お茶の花ぽかり明るき苑の隅 
マフラーに気持ち半分埋め行く   
寒々と暮れたる風の薔薇煽る

散りてなお欅大樹の空の位置   
掃けばまた風押し返す落葉かな
電飾に街光りだす冬の暮れ
花八手樋も庇も無愛想      

木の葉降る幹の高さに時かけて  
川青し桜落葉の一本に
冬の雨意思ある如く真っ直ぐに  
はりつめて空映したる冬の水
濃き色を選び毛糸編みはじむ 
木の葉散る空昨日より透き通り  
柿吊るす横に洗濯もの干して   
公園の黄葉何処へ落葉降る
冬うららおとぎの国の小人かな
急ぎ行く齢ではなし落葉道
枯葉持つ一樹は風を遠巻きに
柿二つ机の上の灯を増やす
公園の落葉を掻けば香を立てる
ビー玉に光溢れて冬の窓
ガラス戸を明るく占めて冬もみじ
冬の夜を紺糸美しく縫いおりぬ

雲動く初冬の日差しこぼしつつ  
夕空に早き月出るお茶の花    
ままごとのおしゃまなしぐさ庭小春

ベランダにやさしき日差し布団干す

風伯や落葉しぐれを目のあたり

草もみじ畑のなごりの荒野にも   

小春日や耡ひし畑の番鳥

小鳥くる朝の光りをノックして
休業の自筆の知らせ秋惜しむ

秋の顔ぶらさげウィンドショッピング  

夕星にほどけゆきけり山車の列     

曼殊沙華よりも真つ赤なシャツがゆく   
歯科眼科内科整形外科秋思
ガードレールに腰かけてゐる秋の潮
これつぽちの影か黒揚羽
ポケットの軍手はみ出す松手入れ
はや灯すバスのがら空き初時雨
一本の竹輪二合の濁り酒        
ちちろ鳴く土間の暗きに猫の耳
おおあくび小春の窓の猫二匹
ささくれの駅舎の柱小鳥くる
川上の風小鳥の来る便り 
帆柱のてつぺんさみし秋の風   ○
すみずみに秋満ちてゆく瀬戸の海
秋風の前髪吹いてゆきにけり  
色鳥や岬のカフェへつづく路  
窓半分覆ひし蔦の薄紅葉
天高く背ナに小さきリュックかな
閉店の自筆の知らせ暮れの秋
変わらないものなど無いよ小鳥くる

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