2017年03月

繋ぐ手に母の手姉の手花衣
手のひらの海あふるる磯遊び
父もこの坂を登つて桜餅
母の眼がうるむ二人の花の駅
取りあへず桜だよりをチェックする
木の芽雨ものみな固き影を解く
木蓮の白きばかりに突き当たり
山に咲くミモザ斜めに風の中
しばらくは上見て歩く桜の日
風連れて初燕またこの街に

林間に座して一人や笹子鳴く

 ピクルスを作る厨や目白くる

春雷や家族一瞬同じ顔
三歳をかばふ五歳や春の雷
春の夜バスの二駅徒歩で行く
立ち漕ぎの自転車きいろ風光る
初燕気付く夕日の三丁目
徒歩で行くバス二駅や蝶の昼
春の野に這ふ子跳ぬる子馳せ来る子

筆順は出鱈目に山茱萸の花
やはらかな石碑のかなや鳥の恋
奔放に思ひのままに梅盛り
幹も枝も花のつぼみも桜色
風船に丸く私の息を入れ
しゃぼん玉私の息は丸いのね
人の息みんな丸いのしゃぼん玉
水面よりはみ出す背鰭春の鯉

春うらら白鷺川面啄めり
森ひとつ小川もひとつ百千鳥
綾とりの川すくう指風光る
幹も枝も花のつぼみも桜色
春の泥ハンドル大きく切った跡
菜の花や歩けばきっと見える海
スキップや少し重たき春の泥
平成の創作雛の並ぶ館
光輝縁帆布ジーンズ纏ふ雛

小さき手に犬ふぐり摘みあげてみる
芽柳の縺れぬやうに風揺るる
天国に越し行く友や春寒し
雛めぐるアンパンマンのあられ持ち
柔らかな石碑の仮名や鳥の恋  雛茶会  
呉服屋も酒屋菓子屋も雛飾る
幹も枝も花のつぼみも桜色
春と冬交互に過ぎて二月尽

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