うららかやなにするでなくきょうひとひ
空の色陽ざしに冬の抜けにけり
若布ほす漢の駄と駄の母
風光る三つ編みお下げボブヘアー



そこのみに声のありける花藻かな


つなぎ来し手をそのままに蛍狩


捩花やアリスの国の潜望鏡


空き家いま表も裏も燕の子


浜風や屋号分かるる夏暖簾


夏暖簾ふわりと客を招き入れ


大空に初めての風鯉のぼり


新茶買ふあなたが来るの今日二時に


柔く裁ち繕ふ指や花水木


触れ合う手つなぐきっかけ遠花火


水遊びひときわ声の高まる子


にんにくや海見る納屋の北の窓


囀やどの口この口減らず口


鍬立てて脱ぎゐるシャツや春の昼


犬のゐぬ犬の公園ふぐり


悪ふざけ過ぎたる真夜の浅利かな


雨戸繰る音の響きやしじみ汁


しじみ汁窓は西むく木賃宿