自死続く闇の深さや栗の花
玉ねぎを包む新聞紙の戦火 戦禍空つぽのバス来て止まる代田風美容師のハサミに委ね目借時物言える国こそよけれ栗の花
鈴蘭の香りを運びをりし風鈴蘭や風のさそひに頻りなく鈴蘭に弾みてをりぬ空の色鈴蘭の明るさ歌ふように鳥 鈴蘭を室内に
稜線の影やわらかに山笑ふ